虎ノ門ニュース終了の真相に深入り!して見た

 朝8時からYou Tubeなどで配信している「真相深入り!虎ノ門ニュース」が7日の配信の告知により2022年11月18日の配信を持って終了とMCより告げられました。一体、何が起きたのでしょうか。

今回はその点に出来る限り『深入り!』したいと思います。

 

○真相深入り!虎ノ門ニュースとは?

 2015年4月から初まった保守系寄りのニュース番組です。当初は『虎ノ門ニュース8時入り!」と言う名称で江川達也氏などニュース番組とあまり関連性が無い人物が登用されて居ましたが、半年後の2015年10月に大幅刷新されて現在のレギュラー陣にほぼ近い形と成っています。また、初期はDHCシアターと言う名称でCS放送と同時配信されて居ましたが、2017年にCS放送が全て終了・撤退。インターネット配信に注力する形で現在のDHCテレビジョンと言う社名に変更されました。

インターネット系のニュース番組としては異例の約93万の登録者を誇り、最盛期は約400万再生(高スコアの曜日はほぼ金曜日でした)を誇る大型ネットニュース番組です。個人・団体にかかわらず1万人程度の登録者が居ればそこそこ大手と言われるYou Tubeに置いては飛び抜けて(前向きな意味で)異質なニュース配信サイトと言えるでしょう。

 

 配信は月曜日から金曜日の平日のみで土日の配信はありません。平日が祝日の場合は配信されます。年末・年始を除き特別な休止期間はありません。極稀に単発配信もありましたが基本的にスペシャル特番等はありませんでした。

 

 東京虎ノ門共同通信会館1階から特別な事情がない限りは観覧可能の公開ライブ配信がされており、同館2階にDHCテレビの本社が有ります。化粧品会社のDHCが株式の100%を保有するDHCの完全子会社です。

 

 初期は青山繁晴氏(現・参議院議員)と武田邦彦氏(元・中部大学特任教授)が番組紹介欄の写真2トップでしたが、青山氏は2020年4月で突然降板。武田氏は2021年12月末に同じく突然降板しました。唯一、しっかり降板の挨拶をして卒業したのは半井小絵氏(元・気象予報士)のみです。レギュラーだった上念司氏も2021年明けに突然、司会者の居島一平氏から「今後、上念氏はご出演されません」と告げて事実上、急な降板となっています。現在は小説家の百田尚樹氏と評論家の有本香氏が2トップとなっています。

 

 本番組は本年7月の選挙期間中にに銃撃され逝去された元・内閣総理大臣安倍晋三氏や作曲家の(故)すぎやまこういち氏。タレントのほんこん氏や弁護士の北村晴男氏など多彩で豪華なゲストが出演した事でも話題に成りました。

 

 また、現役の国会議員(佐藤義久(元)副大臣など)や現・吉村大阪府知事、現・河村名古屋市長などもリモート(スカイプか電話)ながら出演しておりテレビ報道番組顔負けの布陣を敷いていました。

 

 これだけの大規模な番組の突然の終了。一体、何が起きたのでしょう。DHCテレビレギュラー陣の急な降板が合っても『降板理由を一切説明しない(もう、出演しませんとしか言わない)』ので虎ノ門終了に関しても公式な終了理由の開示は期待しない方が良いでしょう。

ただ、終了のきっかけになるような事は幾つか推測されます。

DHCテレビは2017年10月の内部紛争(当時の社長がDHCの許可を得ず勝手にコンテンツを流用)で当時の社長(浜田マキ子氏)が解任(更迭)され、山田晃プロデューサー(当時)が2代目の社長として抜擢されました。山田氏は大阪の朝日放送(ABC)を経てフリーのプロデューサーとなり後にDHCテレビの取締役として着任しています。

 

 山田氏は2019年7月にDHCの吉田会長の承認を得て「渋谷の東急ハンズ地下」にサテライトスタジオを創設しております。なお、ハンズの上層階にはDHCの直販店舗が入居しています。このサテライトスタジオを福岡を拠点とするクロスFM(DHC100%出資の民法ラジオ局)と共用しつつ、10代向けのネット美容系中心の番組『渋谷オルガン坂生徒会』をスタートさせました。出演者は10代向けファッション雑誌のPopteenのモデルが多く、2.5次元男性アイドルなどもメンバーとして出演しています。日曜日はクロスFMの公開生放送と同時に「先輩の日曜授業」と言う題名で色んな専門家を招いて出演者が講義を受けるスタイルで配信を始めました。火曜・水曜が若い女の子向けの美容番組。金曜日はアイドルや声優(後にプロゲーム配信者)をメインにした内容。土曜日は素人のど自慢&お笑い芸人を呼んでいつもより長く配信するスタイルを取って居ました。MCは全て吉本興業の芸人であり、尼神インターなどのお笑いタレントが出演していました。

 このサテライトスタジオを創設する際に山田氏は虎ノ門ニュースメンバーに意見を聞くと言う生配信を虎ノ門終了後の10時から不定期で行い、その時、山田氏は虎ノ門レギュラーメンバー(とオルガン坂の出演者)と一緒に出演してこんな発言をしています。

「もし、ここが(渋谷スタジオ)コケたら私のクビが飛びます」

 と、いつもポップで軽快な口調で話す山田氏がやや真剣な顔で語っていました。渋谷オルガン坂の一等地に新規にスタジオを創設する。そして、吉本興行やPopteenなど大手との連携。驚くほど巨額な予算が投じられた事は確かでしょう。

 その後、開始当初は外から閲覧できる効果もあり観覧者もそこそこ来て盛況でしたが2020年2月のコロナ渦発生で事態が一変します。密を避けるための一般客の公開規制(後に全面停止)や番組内容の大幅な変更(リモート利用など)を余儀なくされました。開始から半年で思わぬ状況に直面し、本来の番組構成が出来なくなって行きました。素人のど自慢を動画応募にしたり、お笑いコーナーを中止したり、アイドルを呼ぶ方向性を転換し遠隔でも出来るゲーム・リモート対戦配信に切り替えたりしました。しかし、ライブやアーカイヴの再生はゲーム部門以外は芳しく無く非常事態宣言などで顧客自体が来なくなり非常に厳しい状況になります。番組内容などを大幅に刷新するなどの打開策を取りましたが上手く行かず、配信日も徐々に減り最終的に土日2日間だけとなりました。2021年もコロナ渦は続き、2022年春頃に成ってようやく収束の兆しが見えましたが2年分のロスは重たく2022年10月末の配信を持ってオルガン坂生徒会の配信は終了しました。なお、クロスFM自体は2021年3月でライブ収録を終了・撤退しています。

 虎ノ門ニュースと並ぶほどに長く続いた地上派テレビ連動の「ニュース女子」も2021年3月の放送・配信を持って終了。後に「ときめき(ハートマーク)BBA」と言う中高年女性向け番組の配信をしますが短期間で終了。DHCテレビ以前(DHCシアター時代)からの番組も全て終了しており、2022年11月1日の段階でDHCテレビが扱う番組は虎ノ門ニュースだけと成りました。

 上記の画像はDHCテレビの会社概要欄の一部引用ですが観た瞬間に気付いた方も居られるでしょうが役員欄に「社長名」がありません。DHC創業者の吉田会長の名前だけが載っています。常識的に考えれば企業の社長名が掲載されない訳はなく山田晃社長が引責辞任(又は解雇)されたと捉えて間違いないでしょう。どうやら5日時点では消えていた様なので11月4日を持って山田氏は職責を退いた様です。

つまり、約束通り社長のクビが飛んだ訳です。

 また、前述の通りDHCテレビ製作の番組は「虎ノ門以外」はすべて終了しています。既に本年中にDHCテレビの抜本的な見直しがなされる事が決まっていたのでしょう。そして、11月7日にMCの居島一平氏から18日を持っての番組終了が告げられました。2週間のアーカイヴ期間を考えると11月末で全終了と成りそうです。

確かに虎ノ門ニュース自体は非常に順調であり、視聴者数・アーカイヴ者数も多かったのですが他番組、取り分け巨額の予算を投じたと考えられる渋谷オルガン坂スタジオ・『オルガン坂生徒会』の失敗(と言っても予期せぬ長期にわたるコロナ渦があったので単純に制作サイドの失態とは言い切れませんが)が致命的になったと推測されます。もはや虎ノ門ニュースだけ残しても十分な宣伝効果が得られないという判断&渋谷スタジオの運営による収支赤字のダブルパンチで終了宣言がされたと見るのが妥当では無いでしょうか。

上記はよしにぃ氏のツイートの一部引用ですが虎ノ門ニュースレギュラー陣の1人である小説家の百田尚樹氏がM&A(企業の合併&買収)について吐露してしまった事が記されています。無論、百田氏が確実なソース(情報源)を持った上での発言かは定かではありませんがDHC本体はともかく、子会社のDHCテレビについては虎ノ門ニュース終了によりレギュラー放送・配信が0本になります。結果、企業活動が停止する事になります。おそらく、12月中又は年明けには何かしらの動きがあるかと推測されます。DHCテレビの株式売却(会社売却)、債務超過による清算(法人解散)、他企業との合併、他社からの第3者割当増資の引受等。色々と考えられますがほぼ残念な結果になる可能性が高いのではと予見されます。DHC本体もコロナ渦の影響でそれ以前から見ると粗利で100億程度減収しています。創業者の吉田会長が不採算部門の整理・清算・統合に踏み切ったとも取れるかも知れません。

繰り返しになりますがYou Tubeに置ける虎ノ門ニュース自体の視聴者数は好調であり、You Tubeと同時配信しているニコニコのアクティブ数(俗に言う”ちくわちゃん”ランキング)も朝のライブ時間帯は常に一桁台の上位にあり、ニコニコを支えるコンテンツの1つと言っても過言ではありません。それが無くなるのはYou Tubeに押されコンテンツ不足(他サイト流失)に陥っているニコニコ(ニコ生)に取っても大きな痛手になるでしょう。

せっかく、7年7ヶ月続けてきたのですからこれで完全に終わりでは無く『更に真相深入り!!虎ノ門ニュース』としてニコニコでもアベマでも良いですからコンテンツごと譲り受けて再開を待ち望みたいものです。

勿論、MCはみんなの居島一平さんしか有り得ません。

有本氏の言葉を借りるならストレートニュース(起きた出来事を淡々と伝えるだけのニュース番組)では出来ない事・やらないことを虎の門ニュースが補完してくれており、大学レベルでやっと教えるような専門知識・分野を出来るだけ砕けた分かり易い表現で伝えてくれるのが虎ノ門ニュースでした。なので、番組終了は非常に惜しく思います。

 

賛否は色々個々にあるかと思いますが私個人は番組終了を深く残念に思います。降板された元レギュラー方々も含め皆様、本当に有難うございました。

 

また、何かしらの形で再開できることを信じております。

 

若手芸人の面倒見が良い居島一平さんの収入源が元に戻りますように祈って。

 

                         2022年(令和四年)11月9日

 

※誤字・脱字等は見つけ次第修正します。