映画「君の名は。」おっさんの超感想(製作関係者は絶対に見ない事)※ネタバレあり

あくまで個人の感想です。コメントは自由ですが個別返信はしません。
悪しからず。




就活。試用期間も設けず履歴書一枚で「良い悪い」を決められるのは不愉快ですよね。

作品も然りで観もせず先入観だけで「あーだこーだ」言われたく無いでしょう、委員会も配給も制作陣もファンも。

と言う訳で重い腰を上げて映画館に行き、スタッフロールまでガッツリ見て来たので感想を書きます。




因みに着席率は大箱で50~60%と言う感じ。レイトは比較的入りが悪いのですが流石7週連続1位の作品は違いますね。(もっと空いてると思ったんだけどなぁ・・)

さて、まずはポジティブに行きましょう!

やっぱ一番凄かったのは「背景」ですね!
もう、これでもかっていう位に綺麗でした。相当綿密に取材をして美術ボードを作ったんだなと・・・圧巻です。聖地巡礼をしたくなる気持ち、分かりますよーー。

後は、登場人物の躍動感も良かったですね。思春期らしい一生懸命さを見事に書ききっているなと感じました。三葉がこけて転がり落ち傷だらけになりながらも目的に向かいひたむきに立ち上がる姿には打たれました。瀧君のおかま状態(三葉in)も妙にはまっていましたね。素晴らしかった!

また、俳優とか声優とか差別なく、各々が素晴らしい演技をなさっており「やっぱ俳優至上主義とか声優絶対宣言」とか言う考え方自体に懐疑ですね。公式も俳優は大きく、声優は小さく載せたりせず、同じレベルで扱った方が素敵だと個人的に思います。皆さん、素晴らしい演技でした。

変に少女漫画し過ぎて無く、その点は高評価です!

笑い所もしっかりあり良かったですね。三葉が自分の股間にチ○コがついてるか確認するシーンにはクスッと来ました。ただ、瀧君は胸で満足せずおま(検閲により削除されまちた)

いやー、最後の階段でのすれ違いシーンもグッときましたね。良い感じでハッピーエンド!

良い作品でした!

新海監督とスタッフのみなさんありがとう!


。。。とまあ、お金を貰っているステマ屋業だったらここで終わるんですが、貰うどころかわざわざ足を運んで安く無い料金を払っているので「忌憚なく腹蔵なく」ネガティブな事も言います。熱狂的ファンと関係者は気分の良い内に引き返すのをお勧めします。
因みに、上記に書いた点は本当に良かった点です。以下の点も本当の事です。




警告したからな?
不快になっても当方も東宝も責任は負いません。
それでも良かったらスクロール↓








まず、見る前から大体分かって居ましたが本作は「主に10代の子が見て楽しめる作品」です。心が10代並に純粋な方も含めて。主人公やヒロインと同世代ならはまるでしょう。

オタキング岡田も論評していた通りこの物語の主軸は「円環」です。
互いを結びつける「紐」を通して時代・世代・空間を超えての「織姫と彦星」的な巡りめくメビウスなお話。それが、この作品の軸であり主題でありながら作品として致命的な部分を生む事になっています。

この話を非常に単純化すれば
「僕が私が入れ替わっちゃった!」→「入れ替わる毎の文通(日記)を続ける内に相手が気になりだす」→「何か流星が落ちてきて三葉がしぬー」→「そうはさせるか!と奔走し食い止める」→「三葉生存ルート」→「時を超えて2人は巡り合う」→「めでたしめでたし」
と言う事である。

が、「何か話がとんでいて1回見ただけじゃ分からないよ」とよく耳にするが「それが駄目」。
金とって足を運んで貰って置いて「ストーリーの詳細・全容は(監督作の)小説で」とか舐めるなよ新海。
お前もプロの道に足を突っ込んだ以上、「映画内で観客が腑に落ちて理解できる」作品作れよ。観客はお前のオナニー作品養分じゃねえんだよ。
これでも東宝が口を出して改良させて分かり易くしたらしいので、修正前の脚本がどれだけ(内容的に)酷かったか・・・と想像するとやっぱいつもの新海自慰作品だったんだなと思ってしまう。

○瀧と三葉の入れ替わるファクターの説明が不十分(隕石を食い止める為に入れ替わりが起きて居たならその根本的な説明が飛んでいる)
○瀧は3年前(2013年10月4日以前)の三葉と入れ替わっていたが、三葉はそれ以後(2013年10月4日以降)の瀧と入れ替わっていた。瀧が飛騨に行った時点で町は3年前に隕石で消滅し三葉が死んでいたのも瀧と三葉が「同一の時間軸の中で入れ替わっていた訳では無い」と言うのは(岡田さんなどの解説を観た後だったから)納得できるが、映画内でその説明が十分にされていない。と言うか馬鹿な俺には予備ネタバレ無しでみていたら意味不明であったろう。ネタバレ見て行ったのに鑑賞後は消化不良すぎて苛立った。
○三葉が瀧に会いに急に東京に行った時に偶然(と言うか必然的に)電車内で瀧を見つけたが瀧は「君、だれ?」と初対面口調。しかし、三葉に取っては「何十回も入れ替わって、終には会いたくなるほどに成った(恋した)相手」であるが、並行な時間軸だったら(例えば2013年の10月3日に入れ替わりが起きて居たら)分かる筈であり、瀧が分からなかった時点で瀧と三葉は異なる時間軸で入れ替わりをしていた事が分かるが、これも全く説明不足。
○仮にほぼ同一時間軸で瀧が三葉と入れ替わったのが2013年の9月15日位からであり、三葉が9月1日から瀧と入れ替わっていて9月14日に三葉が会いに行ったら瀧は三葉と初対面になり矛盾が生じない気もするが、前述の瀧が飛騨に行った時に既に三葉が死んで年数が経っていた事と矛盾しこれは否定される。描写不足。
○となると、瀧と三葉の入れ替わりは約3年ほどの時を超えてなされていた事に成る。劇中にもそれらしきカット・描写は幾つかあるが「非常に分かり難い」。新海さんは映画より13話連続アニメの方が向いている。お前の脚本能力じゃ映画の短い時間では不十分。皆がお前の遠回しセカイ系表現を理解してくれるほど優秀じゃない。と言うか、優秀でも理解できるの?
だから、東宝の狙いは前述の通り

「アーお互いが入れ替わっちゃった!入れ替わりを通してあのひとにあいたいけどいんせきでシヌー\(^o^)/と思ったら色々やって助かったー(^o^)/よく分からないけど2021年に出会えたー(*^_^*)めでたしめでたし」

と言う(オタ先輩である岡田先生のせいにして(笑))「馬鹿でもわかる」単純ルートを作った事で集客に成功した訳です。私心だがこれは正しい選択であり、新海のオナニーストーリーを全て許して居たら押井ノセンス(2004年)以上の失敗をやらかして大赤字だ/(^o^)\状態になっていた可能性も高く、「アホでも分かる良い話にしたから満員御礼」結構じゃありませんか。商売としてな。

○ばあちゃん(一葉)は孫たちに非科学的な事をあれこれ言えど三葉が「隕石が落ちてきてみんな死んじゃう」と言ったとき、孫の言う事を聞き流したのは非科学を司る家系の長としての設定に疑問を感じた。そこは孫を信じるのが孫大好きばあちゃんの役目だろ。また、ばあちゃんも「入れ替わり」の体験してるんだろ。そうでないと「お前、三葉じゃないね」の台詞が生きてこない。
○(三葉)親父、あれほど娘を「頭のおかしい子」扱いしていたのに結局「全町民避難訓練」させて災害から助かって劇中では謝罪の一言も無いとか、最悪のキャラクターだろ。何か知ってそうで何も言わないのも最悪。
○三葉の友達はオカルト知識があると言っても町が隕石で壊滅論を簡単に信用し過ぎ。
○2021年(主人公22歳)に瀧と三葉がついに巡り合うってなるけどその根拠がよくわからないし説明不足。2013年時点の死亡年齢で三葉は17歳となっていた筈だから、設定上26になってないか。年増設定で誰得よ。
尺に収まらないからと言って色々カットし過ぎて本当に馬鹿の為の作品になっている。テレビアニメの様に録画を見返して考察できないんだぞ。
きりがないのでこの辺にするが。

作品全体の完成度は高いが、ストーリーが置いてきぼりになってしまって「映像・音楽として超1流、でも、映画としては2流」と言う感じ。5つ星評価するなら2.8ぐらい。

で、余談だが細かな事を言うと。
制作極力と言うなの実働隊3社が「プロダクションIG」「カラー」「TROYCA(トロイカ)」である。
IGは旧タツノコプロ(一族経営だった時代)出身の石川さんが仕切り、押井が株主、神山が所属していた。(ほぼ)攻殻機動隊を作る為の会社。
カラーは庵野が作ったアニメ制作会社。その代表は特撮作ったり声優したりしてる。
トロイカは元AICの3人が作ったアニメ制作会社。あおきえいが有名。

一昔前は監督だけでなく制作会社や演出。作監・原画・動画マンも(場合によっては美術や録音監督まで)注目されたものだが最近では「声優」ばかり中の人としてピックアップされ、制作の裏方が出て来なくなったのであえて出して置く。

新海、新海言ってるが新海氏自身が自身の人脈や力でアニメーターを集めて自社制作する力は無い。
そこが東映アニメーション京都アニメーションなどとの違いである。
(但し、東映も京都も外国への下請け出しはしている)

余談はここまで。

で、おじさんが見た感想は以上だが。
一言で言うなら「新海、お前才能はあるけど映画監督に向いてねえよ」である。
この作品が100億以上行ったのは不思議だが「若い子が何回も観る程魅力を感じてるん」だろうと言う事でそれは素直に敬意を表すとして、しかし興行に関係なく新海氏のシナリオは「映画に」不向きである。設定が細かすぎて時間超過の不消化であり、やるなら長編OVA(OBA)か1クールか2クールのTVor配信が適している。
才能は言うまでも無くあるのだから、細かな自慰設定癖を直すかテレビなどに移行するか小説家になるかのどれかを切望したい。

「熱狂的な新海ファンは何処に媒体を移しても熱狂的についてくるから心配すんな」
である。

以上、おわり!