世にも奇妙な「お話」2015

A「何故だ、何故こんな酷い事を!!」
B「酷いとは心外な。私達は約10年をかけて貴方に注意・警告を散々行ってきた・・・だが、貴方はすべて無視してきた。だから、こんな辺境までわざわざ足を運んだのですよ」
A「何にしても行き成り来るのは酷い!お前らは鬼か悪魔か!帰れ・・・かえれええええええええええ!」
B「今までの書類をすべて見返して欲しい。最初に送付した注意文は79年の7月、そして最後に送った最終警告状は89年の6月、10年経ってるんですよ?履行されなかった際の最終訪問日もしっかり記してある」
A「し・・しらん、お前らが勝手に決めた期限だろ!俺は知らんぞ!」
B「良いですかAさん、何にでもタイムリミットはあるのですよ。学生の在籍期間、プロジェクトの完遂期限、野球の最大最終回数、サッカーのタイムアップ、夜の営みもだ・・・すべてリミットがある。私達の命も例外じゃない。分かりますよね?」
A「タイムリミットか何か知らん!お前らには人の情が無いのか!情けは人の為ならずって言葉もあるだろ!」
B「何にでも「限度」があるんですよ。不良学生だって3回犯罪行為をやれば退学になる。社会人なら一発アウトだ。それはさて置き、私達は貴方に10年の期限を与えた。これで冷酷だと言われたら流石に心外ですよ?」
A「私は犯罪行為も不逞行為もしていない!一緒にするな!」
B「貴方の言葉が仮に正しいとしましょう。それでも「最終期限」は来るんですよ。貴方が愚かなのは心底分かるが、貴方を救えなかった人間もまた愚か何です。せいぜい、周りの人間・環境を含め産まれて来た事を悔やみなさい」
A「横暴だ!中傷だ!ふざけている。納得できるか!」
B「それでも貴方は約束した筈だ、「1000万の融資の代わりに10年間ですべて返済すると。しかも、無利息。金利0だ」
A「その代償が「体中の臓器と手足すべてが担保」などふざけてる!野蛮だ!」
B「約束は約束。貴方も承諾したでしょう?こちらは10年の返済猶予も利子の要求無しも守った。今度は貴方が守れなかった約束のペナルティーを背負い履行する番だ」
A「やめろ・・・やめてくれ・・・・金は必ず返す、だからまってくれええええ」

B「残念ですが、タイムリミットです」




『タイムリミット』
脚本 てぺ あるふ


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